私が手に入れた夢のオープンカー、フィアット500C(FIAT500C)。セカンドカーとして少ない出動機会の中、メインとなるのが海への移動、サーフィンのお供です。サーフィンを楽しむ人にとってのクルマは、道具を運ぶツールであり、海への道中を共に過ごす相棒。さて、オープンカーとサーフィンの相性やいかに?
サーフィンとクルマの関係
一言で「趣味はサーフィン」と言っても、実際に海に入る頻度は千差万別、十人十色です。海の目の前に住居を構え、1年365日毎日海に入る人もいれば、年に数回だけ夏のレジャーとして楽しむ人もいるでしょう。かく言う私は、子育ての合間を縫って月に1、2回楽しむ程度。海に入る時間は体力的限界を迎える3時間ほどで、海へはクルマで片道1〜2時間かけて移動します。
サーファーが乗るクルマで多く見かける車種はワンボックスやミニバンですね。とにかく荷物も人もガシガシ積めるので、選ばれるのは当然と言えるでしょう。私もかつてはミニバンを乗り継いでいました。一年を通して毎週のように仲間の家々を回り、道具を積み込み、皆でワイワイ話しながら海までクルマを走らせたものです。ミニバンの車内では仲間とバカ話から人生論までいろいろな話をしました。振り返れば、ミニバンは仲間と過ごす時間も運んでくれたのですね・・・しみじみ。
あれから時は経ち、各々が家庭を持ち、休日もサーフィン以外の事に費やす時間が増えるにつれ、海への移動は各自マイカーによる「現地集合・現地解散」に移っていきました。そうなると、移動時間は1人で過ごす時間となります。しばらくはラジオや音楽を聴いたり、考え事をしたり、何気なく過ごしていましたが、ある日ふと思ったのです。「この移動時間をもっと楽しくできないか?」と。育児を妻に任せ、ようやく絞り出した貴重な時間を最大限に楽しみたい。そう思った私の願いを叶えてくれたのがオープンカーでした。オープンカーが1人の移動時間も楽しい時間にしてくれたのでした。
道具は運べるが更衣室としてはキビシイ
さて、そもそもサーフィンには道具が必要ですからクルマに積めることが前提になります。本来オープンカーは積載性を重視して乗るようなクルマではありませんし(私見です)、開放した屋根を格納するスペースを取られる為、ラゲッジスペースは犠牲にならざるをえません。
しかしフィアット500Cであれば大丈夫。1人で海へ行く上では「道具を運ぶ」は問題なしです。コレはフィアット500Cが後部座席を備えていることと、ラゲッジスペースの構造が大きいと思います。サーフボード(ショートボードの場合)は助手席を倒して車内に積めますし、1人分の荷物はラゲッジスペースにしっかり収まります。その上で後部座席の座面も空いてますから、何なら海の帰りにドラッグストアでオムツの買いだめをして帰宅すれば妻のご機嫌も取れます。過去記事でもご紹介していますので、よろしければご覧ください。
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この辺り、例えばマツダのロードスターでは同じようにはいかないと思います(世の中にロードスターサーファーがいらっしゃることも付け加えておきます)。「道具を運ぶ」については「問題無し(ただし車種は選ぶ)」と言えるでしょうね。
荷物を運んで海に着いたらウェットスーツへ着替えます。サーフィンを楽しむ人にとって、ワンボックスやミニバンの良いところの一つが、その広大な車内空間により車内で何の不自由もなく着替えが可能である事です。クルマが更衣室になるわけですね。尚、海から上がったズブ濡れ状態によるウエットスーツから服への着替えは、みんな車外で行っています。私の知る限りでは。
さて、車内で着替えられる利点は2つあります。一つは「人目が気にならない」こと。ウェットスーツの下は丸裸の人、アンダウェアを履く人、様々ですが、人目を憚らず着替えに集中できるのは良いですよね。特に女性にとっては安心です。もう一つは「寒くない」こと。冬場、しかも早朝の凍える外気で素肌をさらすと思わず「ヒャッ」と声が出ちゃうほどの荒行です。震える手で急いで着よう焦るあまりに変な力が入りウエットスーツを破ってしまうこともあります。暖房の効いた車内であれば身も心もゆったりと着替えができるのはとても助かります。
ミニバンでなくてもSUVなど比較的大きめのクルマであれば窮屈ながらも何とか更衣室替わりに活用できます。一方オープンカーは・・・残念ながらフィアット500Cでは車内でのお着替えはキビシイです。幌をフルオープンにすれば頭上が吹き抜けることで車内で立ったまま着替えはできるでしょうが、そうです、そういうことじゃないです。変な人だと白い目で見られるだけです。おとなしく車外で着替えましょう。
この記事の執筆時点では12月の中旬、まさにコレから冬本番です。凍えるような冷気に素肌をさらすお着替え。寒さのあまり「ヒ、ヒェェャァァー!」と声が出ちゃうお着替え。いいです、車外でお着替えどんとこいです!なぜなら、それを補って余りある楽しさがあるからです!
帰り道はオープン走行を満喫
私の場合、海には日の出時刻に到着するように、まだ夜が明けぬ未明に家を出ます。海への「往路」は夜間走行となりますが、なにせ寝起き早々で意識の何割かをベッドに置いてきた状態。「幌全開で夜風を浴びるぜ!」という気分にはなりません。おとなしく幌はクローズで海へ向かいます。それでも、チンクエチェントのドライブ自体は充分に楽しいのですが。
一方、帰り道「復路」はもちろん日中です。快晴の日はもちろん、天気が多少悪かろうとも、幌(ソフトトップ)を全開にしてオープン走行を楽しみます。コレが私にとってホントに最高の時間なのですよー!
サーフィンで海水に浸り、水面に吹く風と、降り注ぐ陽射しを浴びた身体は、頭上突き抜けのフルオープン走行を、何の違和感なく受け入れます。私にとっては“サーフィンの続き“のような感覚です。あまりの楽しさ、気持ち良さに、人目もはばからずニヤニヤしてしまうので困ります。個人的にはすべてのサーファーに一度体験してほしいくらいです!
以上、オープンカーとサーフィンについて、私の体験をご報告しました。
海は、大きく開けた空と心地よい波を全身で感じるスバラシイ場所です。私にとってフィアット500Cのドライブも同じくらいの価値があります。幌をフルオープンにした時の解放感と、ツインエア&デュアロジックが奏でる鼓動は、たまらなく気持ちいいです。
フィアット500Cは、私の人生を豊かにしてくれてます!ホントに感謝です!