チンクエチェントは味わい深いクルマ。ソレはソレでアリだったルームランプの電球も明るさはイマイチ。理由あってLEDへ交換することに。ところが愛車はオープンタイプの「FIAT500C」。不器用かつ小心物の私にとって、交換作業は簡単じゃなかったのです・・・。
ルームランプユニットが、固くて固くて外せない!
チンクエチェントは2008年に発売。少しづつ改良を積み重ねるもフルモデルチェンジなく現在に至ります(執筆当時)。そのアイコニックなデザインは元来が懐かしさを感じさせるデザインが故、未だに大いなる魅力を保っています。
そんなデザインから、機能面で最新世代から見劣りしていても、返って「味」としてイイ感じなのが不思議です。例えば衝突被害軽減ブレーキなど、先進安全装備と呼ばれる機能に対応していなくても「大丈夫。オレが気を付けるから」と思わせる。もはや無敵の愛され方といえるでしょう。
そんなチンクエチェントですから、ルームランプが「豆球」だからといって全く気にしていなかったのです。コレはコレで電球色で薄暗いのがクルマのイメージにあってるかなと。ところが、ファーストカーでLEDに慣れてしまった目は、「とはいえ、チョイと暗いよなー。」と感じていました。
そんな中、コチラも暗くて困っていたラゲッジルームランプをLED化した時、「ついでにルームランプもLED化してみようかしら」と思いつき、交換を試みたことがあったのです。
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交換作業の手順はチンクエチェントの取扱説明書にしっかり記載があり、車内頭上にハマっているルームランプユニット部を天井部との境目にマイナスドライバー等を挿し込んで「クイっ」と浮かせて取り外すというもの。ネット情報によれば「手で簡単に外せる」とのレポートも多数。手先不器用かつ小心者の私も「さすがに楽勝だろう」と思っていたのです。ところが・・・。
交換に対応するLED電球を購入し、交換作業に挑戦。実際に作業をしてみると、手で外せるはずのルームランプユニットには爪すら引っかからない。どうやら「フィアット500」と異なり、オープンモデルである「フィアット500“C“」は、天井部が樹脂製な事が影響している様子。天井部がルームランプユニットと面一(ツライチ)な上に樹脂製なのでたわむ事もなく、結果的にルームランプユニット部に力をかける事が困難になっている模様。この時点で「アレ、ヤバイぞ。」と毛穴が開き始めます。
改めて取扱説明書を確認するも、該当する注意書き等も見当たりません。まるで力量を試されているかのようではありませんか!慌てて養生テープを貼り、プラスチック製でクルマを傷つけにくい“内装剥がし“を持ち出して力をかけてみるも、内装剥がしがクニっとたわむばかりでルームランプユニットはピクリともしない。ああ・・・。小心者の私は作業を諦めたのでした。
そして数か月後。子供と出かけてチャイルドシートのベルトを締める際に暗くて良く見えず苦労した事から、ルームランプLED化2回目の挑戦を敢行。今回は1回目の反省からルームランプユニットの境目を深めにコジ開けることにします。その道具も“内装剥がし“に加えてマイナスドライバーを出動。
ところが2回目もルームランプユニットはピクリともしない。こちとらマイナスドライバーを持ち出しているにも関わらずです。それくらい固いのです。そして真の原因は「ビビってるから」。もし傷つけてしまったらどうしよう。力が入りすぎて破壊してしまったらどうしよう。不器用が故の自信の無さと小心を受付けないレベルの固さなのです。固さに心が負けてしまった私は2回目の挑戦も途中で諦めたのでした・・・。
また月日は流れました。その間、我が家におけるチンクエチェントの活躍が拡大しつつありました。購入当初は私の趣味用だった愛車が、そのコンパクトさによる使い勝手の良さから、都心部へ家族でお出かけする際の足として頻繁に出動するようになってきたのです。
そうなると必然的にチャイルドシートのベルトを締める機会も増えることに。未だおとなしくしてくれない年頃の我が子達は、ベルトを締める作業中も動き回ろうとします。そんな中、視界は相変わらず暗くて良く見えず。イライラします。LED化、待ったなしになりました。やります、3回目の挑戦。やりますとも。
固さには固さで対抗!ルームランプユニットが外れた!
私もいい大人です。3回目の今回は必ずやり遂げる覚悟で臨みます。使用する道具はカッチカチのマイナスドライバーのみ。固さには固さで対抗です。ただし、今回はクルマ側ではなくマイナスドライバー本体に養生テープを重ねます。コレでマイナスドライバーを躊躇なく挿し込めるようになりました。己の覚悟と共に・・・。
そして、ルームランプユニットと3度目の対峙です。今回はやってやる!やってやるぜ!一度マイナスドライバーを挿し込んだ上で、もう少しだけ、気持ち力を加え押し込みます。もはや己との戦いです。力を抜くことなくクイッと引き下げるようにヒネリを加えました。
「セイっ!」
おおおっ!手応えあり!天井からルームランプユニットが浮きました!
やりました!長かった!長かったぜコンニャロウ!
ひとたび浮いてしまえばコチラのものです。力を維持したまま浮きしろを指がかかるまで拡げ、あとは手の力を使って引き下げます。2度までも私の挑戦を退けた強敵が今、力なく天井から落ちてきた。唯一天井とつながったコネクタ部を取り外し、ついにルームランプユニットを我が手中に収めたのでした。あああ、ついに勝った・・・。
チンクエチェントのルームランプをLEDに交換!
嘘のように大人しくなったルームランプユニット。ようやくLEDへの交換作業です。
まずは裏側の“裏ブタ“を外します。手で外せれば良かったのですが、ココも固くてムリ。でも、もう私はさっきまでの私ではありません。「固さには固さを!力には力を!」。迷わずマイナスドライバーを手に取り、スキマに挿し込み、テコの原理を仕掛けます。
「セイっ!」
若干力がかかりすぎで外れた裏ブタが飛んでいきましたが、問題なくクリアです。私、成長しました。
裏ブタが外れると、中には豆球が鎮座。両側が電極になっているので「球」というのが正しいかはアレですが、この電球をLEDに交換です。電極の片側が板バネ状になっているので、そこを緩める方向に力を加えつつ電球を引っ張りだします。
取り出した豆球とLEDを並べてみます。たかが電球ですが、その容姿から時代の移り変わりを感じましたね・・・。
哀愁を感じつつLEDをルームランプユニットへ取付けます。発行する黄色い方が表側ですから、取付け後に背中側の黒い方が見えるようにします。また、電極には向きがあるので注意が必要です。(製品によるかもです)
最後に裏ブタを閉じます。閉じる時は指の力だけで足りました。「パチン」と。尚、閉じる時に表側の透明樹脂部を床等に押し付けて傷つけないように注意が必要です(私はやりかけましたw)。これでLEDへの交換は完了。あとはルームランプユニットを元の場所に戻します。
天井から伸びるコネクタとルームランプユニットを接続します。この辺りはさすがの私も楽勝です。鼻歌モノです。すると、たまたま「ライトオン」の位置になっていたためランプが点灯しました!おおおぅ!明るい、明るいじゃないか!バッチリです!
いったんライトをオフにし、ルームランプユニットを定位置へ戻します。天井に空いた“穴“に左側から合わせていきます。ココまでくればゴールテープは目の前。これまでの挑戦を思い、既にウルっと来ています。最後はルームランプユニット右側を天井に向かってグイと押し込み完了!見ればLEDの黄色い部分かうっすら透けて見えます。正に勝利の証。長かった・・・ついに作業完了です!
その日の夜、ルームランプの明るさを確かめてみました。いやまあ明るいこと!明るさの強さももちろん、やはり白い光は見やすいです。これならば、暗い車内での子供のお世話も捗ることでしょう!助かります!一方、電球による温かみ、薄暗さ故の味わいみたいなものを失ったのも事実。暗い車内で細かい作業を行わないのであれば、電球キープもアリだと思いましたよ。
以上、想定外の“固さ“に苦戦しつつも、どうにかルームランプLED化に成功したご報告でした。
私が今回行った作業は、慣れている方からしたら何てことない作業だと思いますが、手先不器用かつ小心者の私にとっては大きな挑戦でした。3度の挑戦の末、ついにやり遂げた充実感をひとり噛みしめております!やりました!(笑)