フィアット500C(FIAT500C)は、幌(ソフトトップ)を持つオープンカーです。オープンカーを趣味用のセカンドカーとしてドライブするからには「原則フルオープンで乗る」が私のポリシーです。そうなれば「風」との付き合い方が重要。果たしてフィアット500Cと風の相性はいかに?
フルオープンでもサイドは調整可能
フィアット500Cの車体構造において、幌(ソフトトップ)で覆われる箇所は天井とリアガラス周りのみです。つまりフルオープンにしても各ピラーとフレームは残ります。
その為、前列のサイドウインドウを閉じておけば、後列のサイドウインドウと合わせて横からの風を防ぐことができます。逆に暑さを感じるときは前席サイドウインドウの開けて車内に風を通すことで涼を得ることも可能です。もちろん走行風も調整できるので速度域によって生じる風量の変化にも対応でき、その時々で一番快適な状態に調整できる点がとても気に入っています。
冬場は暖房による温かい空気を車内エリアにほどよく滞留させることで身体は冷えず、首から上は頭上から巻き込んでくる外気の冷たさが心地よい。そうです、正に“露天風呂“のような感じを楽しむことができます。とっても気持ちいいんです!
デフレクターを上げるか下げるか?
フィアット500Cのルーフ開口部前端には網目状のフラップが付いてます。このフラップの名称は“デフレクター“といい風の巻き込みを抑制します。デフレクターはサンルーフ装着車に装備されていることが多く、風の巻き込みだけでなく、いわゆる「風切り音」の低減も担っています。
フィアット500Cのデフレクターは、幌を開けると跳ね上がる機構になっていますが、手動のつまみでロックすることで、勝手に跳ね上がらないようにできます。つまり私の好みでデフレクターを使うか使わないかを選択できるわけです。
実はわたくし、この選択の意味がわかりませんでした。「風の巻き込みを抑止するデフレクターを“使わない“というシーンはどんな時なのか?」と。ところが、先日取扱い説明書を読んだらとても大切な情報が記載されていました。次の3点です。
「ハーフオープンのとき、50Km/h以上で走行するときはデフレクターを上げると走行風の巻き込みを軽減できます。」
「フルオープンのときは、デフレクターを下げると風の巻き込みが少なくなります。」
「デフレクターを上げると、後席エリアへの風の流れが少なくなります。」
なーんと利用シーンに応じてセッティングの幅が広い!スバラシイ!
私は「原則フルオープン」かつ「原則1名乗車」です。ということは、風の巻き込みを抑えたい場合の選択は「デフレクターを使わない(“下げる“)」が正解になります。
納車から3カ月余り、デフレクター“上げる“で時速100km/hの高速道路巡行をこなしてきた私ですが、“下げる“で走ってみました。その感想は、
「何コレ!?ぜんぜん違うじゃん!!」
でしたよ!“上げる“では走行風により頭全体をこねくり回されるカンジでしたが、“下げる“では右側のこめかみ付近にドライヤーを軽く当てられているカンジ。前者は出かける前の頭髪セットする気にすらなりませんでしたが、“下げる“であればワックスで毛先をアレンジして出かけたくなります!オープンカーで高速道路走ってもですよ!最高じゃないですか!これからは「デフレクター“下げる“」で行きます!
ウインドストップを付けるか外すか?
他のオープンカーと同様、フィアット500Cにも“ウインドストップ“が設定されています。ウインドストップはその名の通り風の巻き込みを抑える装備です。座席ヘッドレストの背面に設置する“板“でメッシュ状のものがよく見られますね。2シーターの場合は運転席と助手席の背面に設置されるのですが、フィアット500Cの場合は後席のへッドレスト背面に設置することになります。しかも着脱式です。
フィアット500Cのウインドストップは純正アクセサリーとして購入できます。お値段は税込み¥26,620(執筆時)。ちなみに、私のフィアット500C「TwinAir Lounge」はウインドストップが標準付帯(専用の袋に入ってラゲッジに積んである(笑))でした。
https://dl.fgaj.info/data/fiat/maestroservice/accessory/500_accessory_2021.pdf
で、使用しているかと言いますと、現時点で一度も使ったことありません(笑)。
理由は2つです。ひとつ目は、ネットの口コミを拝見するに「あまり効果を感じない」との意見が多いこと。ふたつ目は、装着状態の写真を見るに後方視界が狭くなること。後席に人を乗せる機会があるならばまだしも、基本的に1人で乗る私にとって、フルオープンの解放感を低減させるだけの存在になりかねないウインドストップは、袋から出すまでもない装備となっております。一方で「いつかは使うかもしれない」と、後席足元スペースにそっと置いてあります。果たしてその日は来るのでしょうか・・・?
風を感じたい
フィアット500Cは「風が気持ちいいオープンカー」だと思います。ここまで書かせて頂いた通り、オープン状態であってもその時々で風の巻き込み方を調整できますし、クルマのキャラクターが風を遮断して走るというより、風を感じながら走ることに合っている気がするのです。執筆時の暦は6月で、ぼちぼち陽射しが強くなってきたのですが、どうしても帽子を被る気にならないのは、この心地よい風を頭皮毛髪も含めた全身で感じながら走りたいからです。サーフィンで濡れた髪もよく乾きますよ!(笑)
真夏に向けて、陽射しと私のチキンレースがいつまで続くか、楽しみです。
以上、フィアット500Cと風の巻き込みについてご報告しました。日常使いではなく、セカンドカーだからこそ、風との付き合い方も親しみやすくなる部分があるかもしれません。少なくとも私が言えることは、フィアット500Cの「風」、サイコーです!